2014年08月23日

”うみがめ”について

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本日ジオガイドの勉強会に、NPO法人日本うみがめ協議会・室戸研究基地・渡辺紗綾さんをお招きしてウミガメの生態をお話して頂きました。私達が一般的に知る事と事実の違い、知らない現状の意味深さに考えさせられました。
世界にウミガメは7種類生息しており(全てが絶滅危惧種)、その内日本は5種類もが海遊しています。
室戸で産卵するのは、”赤ウミガメ”と言う種類のカメですが、歯がないのに貝を殻ごと食べるせいか筋肉が発達していて頭が大きいです。平均年齢は約80歳(解剖するとヒレの付け根の内部が年輪のようになっていて判定可能)。20歳で成人し、その後成熟され生殖器が卵を産めるように発達するそうですが、80歳でも可能だそうです!孵化したカメは千頭に1頭生存と言われ、本州は数が回復している半面近年四国は赤ウミガメの数が減っています。一つの原因としては、多くに定置網にかかり死亡するそうです。
赤ウミガメは6〜8月に産卵期を迎え2週間に1回100個程の産卵をし、産卵から2カ月後に孵化、24時間以内に海に戻らなければなりません。この”24時間”には非常に生命に係わる意味があり、海に戻るこの間にカメは海で生きていく為の体が作られるそうです。なので、人間がそこに手を出してしまうのはけして助けにならず、海に出てからカメ自身が生きていけないのです。夜に海へ泳ぎ出すのも意味があります。子ガメの背中は黒っぽく腹は白っぽく、海に出るまでの砂上で葉に似せてカモフラージュでき、夜の海上に出てからも空から襲われることもなく、海の下からは腹が白っぽいので海面と同化し生命を守ります。カメの卵はそこから動かすと生命体が崩れ、孵化率が下がってしまいます。人の親指程の脳しか持たないカメは餌の多いメキシコまで泳いで行き、室戸へ戻り産卵する・・・どうやってその長い路を知るのだろうと不思議ですが、体全体で生き抜こうと何かを察知しながら命を繋いでいると感じます。自然は自然のまま見守ることが大切で、人の都合にそれを合わせるのではなく、むしろ人間が自然に合わせることが保護になるのではないでしょうか・・・毎年、赤ウミガメが帰ってこれる浜を守っておくことが室戸に出来ることではと感じました。


posted by ジオ案内びと at 17:02| Comment(0) | 日記
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